商店街バトル・ロイヤル
家の近くの商店街に性格の悪い肉屋がある。
生肉とすぐに食べられる唐揚げなどが売ってる普通の肉屋だ。
こいつの性格が悪い。
ある時、同商店街にコロッケ屋が出来た。
なかなか美味しくて部活帰りの中学生などが利用しそうな感じ。
そのコロッケ屋が出来た瞬間、
あろうことか肉屋はコロッケを売り始めたのだ。
明らかに意識している。
昔からある店故の「客はわたさねぇよ!!」という傲慢さを感じる。
結果、コロッケ屋は時を経て、先月潰れてしまった...。
そんなことしてるから「死の商店街」などと呼ばれるのだ(僕に)。
事実基本スーパー以外に人はおらず、
100mそこらのアーケードなのに整骨院が4つもある。
空き店舗に同業を出すな。
この商店街に入るやつはバトルをしたいんか?
身体が闘争を求めているのか?
さて、その商店街には私がバイトをしていたレストランがある。
淡路島カレーとかいう物を売ったりローストビーフなども備えた使い勝手のいい店だ。
ある日出勤すると店長がパンをこねていた。
「今日からカレーパン売るから!」
揚げ物...まずいぞ...
性格の悪い肉屋に目をつけられてしまう...
オープンして1年の新しいお店である。
肉屋は新人へのイビリを始めるだろう...
翌週___
案の定、肉屋は行動を起こしていた。
「商店街、カレーパンの乱勃発!?
肉屋からの挑戦状、カレーパン新発売!」
マジかよこいつら、看板出してた。
キャッチコピーだっせ〜〜〜。
ちなみにうちの店はクソ肉屋の真向かいです。
堂々とするな。
だいたい勃発ってなんだ。
お前らが起こしてるだろ。
しかし商品が1品目増えるだけで在庫で冷蔵庫は圧迫、新しいコストもかかる。
これで肉屋の冷蔵庫には30品目以上の揚げ物が眠っていることになる。
さすがは新人イビリの老舗、肉を切らせて骨を断つ...。
一週間後___
出勤すると店長がパンをこねていない。
「あれしんどいから土日だけにするわー」
そうなの?まあいいけど。
肉屋のカレーパンは売れてるところを見たことが、無い。
一ヶ月後___
お客さん「カレーパンくださーい!」
店長「出来たて提供したいんで10分ほど待ってくださーい!」
嘘である。
この男、めんどくさくなってお客が来た時以外揚げないことにしたのだ。
肉屋のカレーパンは売れてるところを見たことが、無い。
さらに一ヶ月後___
バイト先からカレーパンの看板が消えた。
「いや〜仕込みめんどくさいからやめたわ!」
店たたんでまえ!!
新人イビリとかでなく怠惰が勝ちました。
カレーパンは終了!
肉屋の前には未だに
「商店街、カレーパンの乱勃発!?
肉屋からの挑戦状、カレーパン新発売!」
と書かれた看板が寂しそうに光っている。
対戦相手は、いない...
カレーパンの乱は肉屋の内乱に落ち着いてしまった...。
そして一年後___
店長、今週末で店たたみます!!
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