おるんかい
今でこそ三大都市圏に住んでいるが昔は大田舎にすんでいた。
(大田舎はオリジナル造語でとても田舎という意味)
のどかな田園風景が広がり、
クマが出没する事もあれば近所のジジイが林檎をくれることもあったりと完全な田舎である。
私の小中学校は子供不足で廃校になっている筋金入りの地だ。
夏になると思い出すことがある。
暑い夏、野山を駆け回って遊んでいた。
その行為に意味はなく幼い衝動を発散さていただけの真夏日である。
当然喉が乾くが飲むものはない。
自動販売機はあるが当時は
お手伝いをすると50円貰えるというコスパの悪い仕事を生業としていたので1本120円のジュースなどとてもじゃないが買えなかった。
(当時は消費税が5%だった。良い子のみんな知ってるかな?)
しかしここは大田舎。
山のそばである。
少し山に入った所に綺麗な湧き水があったのだ。
家の近くだったので家に帰れば飲めるが帰ったところで牛乳を飲むだけだし、
なにより湧き水を飲むというのがエキサイティングだった。おとぎ話みがある。
かなり利用したし勝手に特別な水と思い込んでいた。
それから中学生になって夏休みが来た。
多くの宿題の中に自由研究というものがある。
ちょうどプランクトンについて1学期に習ったので自宅にある顕微鏡で田んぼや川の水を調べてプランクトンの分布マップを作ろうと考えた。
後のポケモンGOである。
自転車を使って様々な場所に赴き水を採取した。
水が増え徐々に重くなるカバン。
私の喉はカラカラだが水筒のお茶はもうない。
そうだ。
中学生になって飲むことがなくなっていたが湧き水があるじゃないか。
思い出してなんだか懐かしくて嬉しくなり、湧き水で喉を潤した。
そうだ、この水も顕微鏡で見てみよう。
採取して自由研究を終わらせるべく帰路についた。
結果、めちゃめちゃミジンコ住んでた。
どうも、湧き水で水を飲みミジンコをおやつにしていた野生児です。
アマラとカマラって呼んでください。